ボラセンノート4月:シングルタスクとは?
私が最近読んだ書籍『シングルタスク 一点集中術』についてご紹介します。マルチタスク、いわゆる一度に二つ以上のことを同時にする、というのは多くの方が経験した事があるのではないでしょうか。こういったマルチタスクよりも、一つの物事に集中するシングルタスクを推奨しているのがこの本です。
本のタイトルにもなっているシングルタスク一点集中術とは、一度に一つの作業に集中して生産性を上げる方法のことです。人間の脳は一度に複数のことに注意を払えないため、マルチタスクをすると集中力が低下する可能性があるといわれています。一見マルチタスクの方が効率が良く、物事が早く進んでいるような気がしますが、実は脳にとっては負担となり、能率は落ちているのだそうです。シングルタスクのメリットとしては、充足感を得られたり、脳機能の低下などの弊害を招く可能性が低いことだそうです。
どのようにすれば良いかというと、意識を「いまここ」に向けて一度に一つの作業に没頭すること、作業に専念する時間を決め、その間は他の事に意識を移さないことなどが挙げられていました。そうすることで、余計なストレスを減らし、心に余裕を持つことができるようです。シングルタスクの考え方は日常生活だけでなく、ボランティア活動にも活かせます。目の前のことや人に集中することで、良い関係を築けたり、心の余裕を持ちながら活動ができるようになるかもしれません。ぜひ実践してみてください。
【参考資料】『シングルタスク 一点集中術~「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる』 デボラ・ザック著。ダイヤモンド社発行
ボラセンノート5月:ラジオに耳を傾けて
2025年は日本でラジオ放送が始まってちょうど100年目の節目の年となります。私も毎朝通勤中の車内で、ラジオを楽しみながら運転してきています。ラジオは決まった時間に決まった番組が流れるため、渋滞の中を走る私にとって、職場までの道のりを順調に進むことができているかの一つの指標にもなっています。そんなラジオですが、脳の活性化にも効果があるという興味深い話を耳にしましたので、調べたことを皆さんにご紹介したいと思います。
脳科学の研究で有名な加藤俊徳医師の研究によると、継続的なラジオの聴取は左脳の言語記憶を刺激し、さらに視覚的な想像力を呼び起こし、右脳の記憶系脳番地と呼ばれる部分を成長させることが明らかになりました。ラジオが脳の活性化につながる理由の一つに、音声だけのメディアであることが関係するようで、ラジオから聞き取る言葉を想像力で補完することで、脳の働きが強化されるそうです。私も今回調べてみて、ラジオにこのような効果があることを初めて知り、今後も継続して聴取したいと思いました。
テレビやスマートフォンが主流になった現在においても、ラジオにはそれらにない魅力がたくさん詰まっていると感じます。何かをしながら聴く場合も脳の活性化に効果があるそうなので、皆さんもぜひラジオに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
ボラセンノート6月:脳の活性化
先日、講座に参加されている方からお話を聞く機会がありました。その方は初めてICカードを使って電車に乗り、講座に参加されたそうです。お話をされているその時のお顔がとてもいきいきしていて、いくつになっても新しいことに挑戦することはとても素晴らしいことだと感じました。
新しいことへのチャレンジはどんな効果があるのか?少し調べてみました。新しいことを始めると、脳内が刺激され、これまでに経験したことのない情報を脳が処理することになります。これにより、脳は活動を活性化させて、これまでに使用していなかった部分を使い始めることになります。その動きが認知能力の低下を防ぎ、記憶力や集中力を向上させる効果があり、脳をいつまでも若く保つためにとても良いそうです。新しい趣味を始めてみたり、旅行へ出かけてみたり、今までにやったことがないことを新たに始めたりすることは、脳の機能を持続・向上させることになるそうです。
どこかに出かけたり、新しい何かを始めることが難しい方でも、いつも食べているものを違うものに変えてみたり、いつも通る道ではない道を選んで歩いてみたり、生活に少しの変化を取り入れるだけでも脳にはいいようです。人に会って会話をすることだけでも表情や言葉の調子、身振り手振りなどが脳に入ってくるため効果があり、他者とつながることでも脳も心も若々しく保つことができるそうです。
新しい何かをお探しの方はぜひ、社会福祉協議会で開催されている講座やイベントに参加し、新しいことに挑戦してみませんか?毎日の生活に少しの変化を取り入れ、日々の生活を楽しむことを大切にしながら脳を活性化させていきましょう!
ボラセンノート7月:こどもたちが学ぶ福祉
社会福祉協議会では、地域のこどもたちへの福祉教育・ボランティア体験学習の推進を行っています。地域や社会で暮らす中で、障害者・高齢者をはじめとするサポートが必要な人がいること、また障害等の有無に関わらず支え合う大切さ等を学んでもらえるよう、用意をしています。
まず福祉実践教室では、手話や点字、車椅子等の体験を通して学びます。多くの生徒にとって初めて知ること、初めて触れるものばかりだと思いますが、普段ボランティア活動をしている方が講師となって教えてくれますので、より分かりやすく、より身近に感じてもらえるように思います。夏休み期間には、希望者は学校外でボランティア体験学習を行います。小学生(4~6年)は、各校区市民館等で実施している介護予防サロンにお邪魔し、地域の高齢者と一緒に体操やゲームをしながら思いやりの気持ちを持つ機会にしてもらいます。中高生は、地域の高齢者/障害者施設にて利用者との交流や職員の方のお手伝い等をしながら一日を過ごします。また、毎年開催する福祉のイベント「いきいきフェスタ」も、多くの中高生ボランティアが運営サポートを頑張ってくれています。
福祉実践教室・ボランティア体験学習ともに、生徒たちは少し緊張した様子を見せつつ興味深そうに取り組んでいます。困っている人のお手伝いができたり、自分のしたことで誰かに喜んでもらえたり、そういった喜びや思いやりが生徒たちの中で少しでも育まれ、社会にとっても、何より生徒たち自身にとってより豊かなものになればと思っています。今後も多くの児童生徒たちの参加が楽しみです。
ボラセンノート8月:いきいきフェスタ2025
豊橋市が定める『市民福祉の日』の記念行事として毎年開催している福祉のお祭り「いきいきフェスタ」が、今年もライフポートとよはしで8月24日(日)に開催されます。
開催日は猛暑となることが予想されますので、昨年と同様、最も暑い午後の時間帯を避けるために開催時間を9時~13時までに短縮して実施します。ご参加いただく皆様の安全のため、何卒ご理解くださいますようお願いいたします。今年度は、『防災』をテーマとした企画として、起震車(地震を擬似的に体験できる車)の体験や防災備蓄品の無料配布を行います。また、この他にも毎年ご好評をいただいている福祉関係の事業所・団体によるバザーのコーナー、点字・手話等の体験ができる福祉体験コーナー、簡単にできる工作教室など、多数の催しをご用意しています。暑い中での開催となりますが、いきいきフェスタで楽しい夏の思い出を作っていただき、それをきっかけに福祉にご興味を持っていただければ嬉しく思います。また、当日はボランティアセンターの公式マスコットキャラクター『あいコアラちゃん』も皆様をお待ちしていますので、ぜひ会いに来てくださいね!
ボラセンノート9月:ワークキャンプ
ボランティアセンターでは、夏休みに中学生・高校生を対象とした「青少年ボランティア福祉体験学習事業」を行っています。中学生は1日、高校生は2日間、社会福祉施設でのボランティア活動を通じて、入所者の方々と交流しながら、思いやりや助け合いの心を育んでいます。
今回はその中でも、高校生を対象とした「ワークキャンプ」についてご紹介します。本年度は7月29日・30日の2日間実施し、市内の高校生20名が参加しました。豊橋ちぎり寮、ゆたか学園、豊橋にしぐち学園、ワークス岩西の4施設にご協力いただきました。参加のきっかけとしては、「福祉のことはよく知らないが、知るきっかけになると思った」「身内に福祉関係の仕事をしている人がいて興味を持った」など、さまざまな声が寄せられました。 事前研修会では、不安を口にしていたものの、実際の体験を通じて、「緊張したが、利用者さんが温かく受け入れてくれたので、自然と笑顔になれた」「利用者さんとの交流が楽しかった」「相手の立場になって考えることの大切さを学んだ」など、貴重な気づきを得ることができました。また、利用者の方のリクエストに応えて高校生から絵を描き、プレゼントするなど、喜んでもらえる方法を自ら考え行動する姿も見られ、相手の気持ちに寄り添う積極的な姿勢が印象的でした。
今後も、こうした体験が、参加した高校生1人ひとりの成長や、福祉への理解の第一歩となることを願っています。
ボラセンノート10月:点字誕生から200年
今年、点字が誕生して200年を迎えました。点字を生み出したのは、1825年のフランス、当時15歳だったルイ・ブライユという少年です。彼は視覚障害でありながら、「見えない人にも読み書きの自由を」との思いで、指先で読める6つの点の組み合わせによる文字体系を考案しました。
日本では、石川倉次が日本語に合わせた点字を開発し、「日本点字の父」として知られています。点字の発明は、視覚障害者の学びや社会参加への扉を大きく開きました。今では本やパッケージ、駅の案内などにも広く使われています。しかし、情報の多くが視覚中心で提供される現代において、点字に触れる機会は少なくなりつつあります。ICT技術の発展により、点字を使う人が減っていることもあるようです。
とはいえ、「見る・聞く・触る」など、情報に触れる手段が多様であることは大切です。ボランティアの方が担ってくださっている「点訳」や「音訳」といった活動は、視覚に頼らない情報の橋渡しとなる大切な役割を果たしています。ひとつひとつの文字に込められた想いや情報を丁寧に届けることが、誰もが参加できる社会づくりにつながるのではないでしょうか。
ボランティアセンターでは、年に一度、点訳や音訳などのボランティア養成講座を開催しています。「見えない人の目」になれる活動をいっしょにしてみませんか。
ボラセンノート11月:スマートフォンとの上手な向き合い方
先日、豊明市でスマートフォン(以下スマホ)等の使用時間の目安を示す条例案が全国で初めて可決され、「仕事や勉強以外におけるスマホ等の使用は1日2時間を目安にすること」とした案がニュースやSNSで話題となりました。一見すると個人の自由ではないかとも感じますが、こうした条例が可決された背景を知ることにより、スマホとの上手な向き合い方について考えさせられました。
スマホは、今や私たちの生活に欠かすことのできない重要な存在となっています。仕事や勉強、娯楽、それ以外にも用途は幅広く、性能も日々進化し続け、新たな機能が生み出されています。私の中で印象的だったのが、以前スーパーで買い物をしていた際に、聴覚障害者の男性がスマホのビデオ通話機能を使って画面越しの相手の方と手話でやり取りをされている様子でした。恐らく購入する商品のことで相手と相談していたのだと思いますが、その後男性はにっこり笑って商品を手に取りレジへと向かっていきました。昔では考えられなかった光景であり、スマホが障害のある方の生活に大きく役立っているのだと強く実感しました。
スマホは多くの場面で生活を豊かにしてくれる存在である一方で、娯楽などで長時間使用することによる記憶力や集中力の低下、注意散漫、言語障害といった症状があり、今回の条例が可決した背景にもあるような問題点が他にいくつも報告があります。今後ますます性能が進化していき、便利になっていく中で、長時間使用による問題点にも目を向け適切な使用を心がけるなど、より一層スマホとの上手な向き合い方が重要になってくると考えています。
参考:アンデシュ・ハンセン 「スマホ脳」 新潮新書 2020年11月発行
ボラセンノート12月:センサリーマップとは?
『センサリーマップ』という言葉を耳にしたことはありますか?
動物園や博物館などの施設には園内や館内を紹介したマップがあり、その中にはバリアフリーのトイレやオストメイト、授乳室やおむつ交換台の設置場所などが利用者にわかりやすく表示されていますが、普段私達がよく見かけるそういったマップとは別に、感覚過敏の方々が安心して施設内で過ごせるように、音や光、匂いや傾斜などの五感情報を施設のマップに記載されているのが『センサリーマップ』です。
感覚過敏とは、視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚などの五感から受け取る刺激に対して、通常よりも強く感じてしまう状態をいいます。感覚過敏の方が初めての場所に外出するとき、その場所がどんな場所なのか事前の情報が無い場合、外出を諦めてしまう事があるそうです。そんなとき、感覚過敏の方が苦手とする場所を示したマップがあれば事前に対策が立てやすく、安心して外出できるようになります。
『センサリーマップ』は10月まで開催していた大阪万博でも配布され、ホームページから事前に確認ができるようになっていました。また、その他にも東京国立博物館や上野動物園でも作成されています。
感覚過敏の方も安心して外出ができるように、いろいろな施設で『センサリーマップ』が普及していくことを願っています。
ボラセンノート1月:今年度も実施しました~赤い羽根共同募金~
毎年、10月1日から翌年3月31日まで赤い羽根共同募金運動が全国で実施されています。その一環で行う12月1日から31日までの歳末たすけあい運動も併せて、地域の皆様よりたくさんのご協力をいただきました。皆様のご理解・ご協力に改めて感謝を申し上げます。
街頭募金活動も行い、民生委員さんや市内の中高生、福祉団体等に豊橋駅周辺での募金活動にご参加いただきました。ある日、私も中高生と一緒に立たせていただいたところ、白杖を持った方がお一人で通りかかったため、お手伝いすることはないか声をかけさせてもらいました。「点字ブロックを通れるから大丈夫、ありがとう」と仰るので、「お気をつけて」と見送ったのですが、少し経ってからその方が戻ってこられ、私を探して募金を渡してくださったのです。視覚障害があり、私たちが募金活動をしていると見て分かることはできなかったと思うのですが、一度離れてからでも私たちの声に気付いてお気持ちをくださったのだと思うと、とてもありがたく印象深い出来事でした。活動に参加した中高生も自ら募金をしてくれたり、お出かけされる中で皆様が足を止めてくださったり、募金一つ一つのありがたみを感じます。
そうして集めさせていただく募金ですが、使途についても少しお話ししたいと思います。本会でいただいたお金は一度愛知県共同募金会へ送金し、配分委員会を経て、県内の社会福祉協議会や福祉施設・団体等へ配分されます。本会ではその配分金を、障害者等福祉団体や民生委員児童委員協議会活動、ボランティア活動、子育て支援事業等への助成、敬老の日の祝品配布や、子どもの施設・事業所への義援金贈呈等に役立てています。また、災害発生時には緊急支援、復旧支援活動にも活用されており、皆様のご協力が本当に様々な地域福祉向上のための大きな支えになっております。
より詳しい情報が『赤い羽根データベースはねっと』(https://hanett.akaihane.or.jp)でご覧いただけますので、ご関心を向けていただけますと幸いです。
ボラセンノート2月:みんなで楽しく遊べる遊具
あいトピアのすぐ近くの桜ヶ丘公園で、去年の秋頃から工事が始まりました。工事現場に立てられた看板をよく見ると、『インクルーシブ遊具に更新しています』と書いてあります。インクルーシブ遊具という聞き慣れない言葉が気になり、調べてみることにしました。 まず、インクルーシブとは英語で『包括的』『すべてを含む』という意味です。そこから、インクルーシブ遊具は『障害の有無や性別・年齢・国籍などに関係なく誰もが一緒に遊ぶことができる遊具』のことを指すそうです。全国のインクルーシブ遊具の導入事例を見てみると、例えば複数人で一緒に滑ることができる幅広のすべり台や、車いすやベビーカーでも遊べる段差のない水遊び施設など、実にさまざまな種類の遊具があり驚きました。そして桜ヶ丘公園では、姿勢の保持が難しい人や体が小さな幼児にも乗れるブランコと、車いすに乗ったままでも介助者と一緒に上がれるような複合遊具を導入し、更に遊具の周りには転倒時の衝撃を吸収するゴムチップを敷く予定とのことです。
自分が小さい頃は恥ずかしながら同じ遊具で遊べない、あるいは遊びづらい人もいるということを意識していませんでしたが、今後はインクルーシブ遊具を通じて多様な人が一緒に遊べることが当たり前になり、それによって地域の人同士の繋がりがより強まっていけば嬉しく思います。
工事の完了予定は2月中とのことで、お披露目がとても楽しみです。皆様もあいトピアにお立ち寄りの際は、桜ヶ丘公園に足を延ばして新しい遊具を見てみてはいかがでしょうか。
ボラセンノート3月:愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会
10月18日から24日まで、アジアパラ競技大会が日本で初めて愛知・名古屋を中心に開催されます。大会では18競技が実施予定で、パラ陸上や水泳、車いすバスケットボール、ブラインドサッカーなど、多彩なスポーツが行われます。競技は愛知県内の19会場で実施され、名古屋市や岡崎市、一宮市の他、豊橋市では豊橋市総合体育館を会場に「ゴールボール」競技が開催される予定です。
ゴールボールは、視覚に障害のある選手のために考案されたパラスポーツです。1チーム3人で、内部に鈴が入った専用ボールを床に転がすように投げ合い、相手ゴールに入った数を競います。選手は視力の差が出ないよう、全員がアイシェード(目隠し)を装着し、音や触覚を頼りにボールの位置を把握しながらプレーします。競技中はコート内外ともに静けさが保たれ、観客も声を控え、音による情報を選手に正確に届けることが大切とされています。 アジアパラ競技大会は、障害のあるアスリートの活躍を身近に感じられる大会です。競技を通して、障害のある方の工夫や努力、そして支える人たちの思いに触れることができます。普段なかなか見る機会の少ないパラスポーツを、地元で観られることは、とても貴重な機会です。ぜひ会場に足を運び、選手の方の一生懸命な姿や競技の面白さを感じてみてはいかがでしょうか。応援することも、大会に参加する大切なかたちの一つです。アジアパラ競技大会が、多くの人にとって障害について知り、考えるきっかけになればと思います。