ボラセンノート11月:スマートフォンとの上手な向き合い方

手を繋ぐ人

 先日、豊明市でスマートフォン(以下スマホ)等の使用時間の目安を示す条例案が全国で初めて可決され、「仕事や勉強以外におけるスマホ等の使用は1日2時間を目安にすること」とした案がニュースやSNSで話題となりました。一見すると個人の自由ではないかとも感じますが、こうした条例が可決された背景を知ることにより、スマホとの上手な向き合い方について考えさせられました。
 スマホは、今や私たちの生活に欠かすことのできない重要な存在となっています。仕事や勉強、娯楽、それ以外にも用途は幅広く、性能も日々進化し続け、新たな機能が生み出されています。私の中で印象的だったのが、以前スーパーで買い物をしていた際に、聴覚障害者の男性がスマホのビデオ通話機能を使って画面越しの相手の方と手話でやり取りをされている様子でした。恐らく購入する商品のことで相手と相談していたのだと思いますが、その後男性はにっこり笑って商品を手に取りレジへと向かっていきました。昔では考えられなかった光景であり、スマホが障害のある方の生活に大きく役立っているのだと強く実感しました。
 スマホは多くの場面で生活を豊かにしてくれる存在である一方で、娯楽などで長時間使用することによる記憶力や集中力の低下、注意散漫、言語障害といった症状があり、今回の条例が可決した背景にもあるような問題点が他にいくつも報告があります。今後ますます性能が進化していき、便利になっていく中で、長時間使用による問題点にも目を向け適切な使用を心がけるなど、より一層スマホとの上手な向き合い方が重要になってくると考えています。

参考:アンデシュ・ハンセン 「スマホ脳」
   新潮新書 2020年11月発行


2025年11月17日