ボラセンノート:コロナ禍での芸術鑑賞

絵画を見る人

 昨年の秋頃、とある博物館の特別展でぜひ見てみたい展示物があり、充分な感染対策をした上で足を運んで来ました。
 このような状況下のため、美術館や博物館からは長らく足が遠のいていましたが、今回久々に行ってみてまずコロナ前と明らかに変わったと感じたのはチケットの取り方です。現在は、美術館や博物館で特別展を開催する場合は、館内での人の密集を避けるために事前にオンライン等で入場日時指定のチケットを枚数限定で販売することが増えたようです。
 また、展示物の紹介を聴くことができる音声ガイドも、衛生面を考えてなのか、館内で借りられる従来の機械だけでなく、事前に自分のスマホに専用のアプリをダウンロードする形式のものを利用している方も多かったのが印象的でした。私もアプリを使ってみましたが、音声ガイドを現地で借りなくてよいため館内を回る際の手荷物が減ってとても便利でした。それに、普段自分が使っているスマホを音声ガイドとして使えるため、これならば目が不自由な方なども操作に手間取ることが減りそうだと感じました。
 混雑を避けるためにあえて後半の展示から見て回ったり、それでも人が多く集まる場所では持参していた単眼鏡で人垣の後ろから展示物を覗いたりと工夫が必要な場面もありましたが、短い時間の中で多くの素晴らしい作品に触れて楽しく過ごすことができました。
 コロナ禍や世界情勢等の影響もあり、比較的大きな美術館や博物館でさえ、収蔵品を維持管理するための予算にはかなり厳しいものがあると先日ニュースで耳にしました。そしてこれは、恐らく音楽や演劇など他の芸術分野でも似たような状況なのではないかと思います。なかなかそういった場所に足を運びづらいご時世ではありますが、大切な文化を守り、また後世に伝えていくためにも、自分にできる形で応援していきたいと思います。


2023年02月09日|ボランティア月刊通信のカテゴリー:ボラセンノート